海外を旅していると、行く先々で多種多様の出逢いがありますが、残念ながら妙に親切な人ほど疑ってかからないと痛い目を見るなんて事もあるんですよね。
特に「断れない世界代表」と言っても過言ではない日本人がカモにされがちなのは周知の事実で、海外でいきなり日本語で親しげに話しかけてくる人には裏があったりなかったり。
(まさにそんな経験もありますがその話はまたの機会に)
そんな経験から、旅行全般、特に一人旅をする時に気をつけているのは身の安全。
ひとりで自由気ままだからこそ、それは裏を返せば全てが自己責任。何かあっても全て自分で対処しなければなりません。
無事に帰ってくるまでが旅ですから、とにかく何でも気をつけるに越した事は無い。
何買ってもぼったくられてると思え!親切には必ず裏がある!
そんなスローガンを掲げ、旅に出ていました。
とある出来事があるまでは。
親切か?チップ詐欺か?

それはベトナムはハノイのひとり旅での出来事。
ある朝早く、有名なフォーのお店で朝食を食べてご満悦の私でしたが、そのお店の前に立って、次の目的地のとある村への道順を調べるためにGoogleマップとにらめっこしていました。
村へ行くにはまずバス停に行きバスに乗らないといけないのですが、電波が弱いのかマップがでたらめで、バス停の場所がよく分かりません。
どうしたものかと悩んでいたその時、近くに居た警察官?警備員?のような制服を着たお兄さんが話しかけてきました。
言葉はよくわからないのですが、どうしたの?迷ったの?みたいなニュアンス。
私もマップを指差しながら、次の目的地である「バッチャン」の名前を連呼。
お互いに2、3言の英語と身振り手振りでの会話でしたが、どうやら私がバスに乗ってバッチャン村に行きたいという趣旨が伝わった様子。
するとお兄さんが突然、自分のバイクを指差します。
ん?バイクに乗れってこと??、、ははーん。
その瞬間、名探偵コ◯ン君さながらピンッときました。
ハノイはバイクタクシーが盛んな地。
街中をたくさん走っていて、観光客と見ると途端に熱心に声を掛けられます。これは既に前日に経験済み。
さてはこのお兄さん、無理矢理バイクに乗せて送って、後で高額チップを要求する魂胆だな。
そうとなったら簡単に乗るわけにはいきません。
元々歩いて行こうと思っていた事もあって、「歩くから大丈夫」と何度か断りました。
が、「遠いよ!歩きは無理だよ!」と頑なに乗るよう勧めるお兄さん。
そんな押し問答の末、
「まあバイクタクシーはそもそも安いし、チップと言えどそんなに高額にはならないか」
と、ついに観念した私はバイクに乗せてもらう事に。
ちなみに通常のバイクタクシーもお兄さんのバイクもいわゆる原付きという類のもの。あちらでは原付き2人乗りなんて当たり前なんですよね。
さて、エンジンをかけ、颯爽とバイクを発進させるお兄さん。
いざ乗せてもらうと確かに歩くにはちょっと遠く、乗せてもらってよかったと思い直します。

バッチャン村に行くバスが発着するバス停は想像の倍大きなターミナルで、色んな方面へのバスが入り乱れていました。
バス停に着くと、お兄さんは私にそのまま待つよう言って、バス停の中へ。
なんだろう?と見ていると、なんと、
並んでいる人たちにバッチャン村行きはどのバスか聞いて周っているではないですか!
ちなみにこの時私はどこかのwebサイトの情報で、何番のバスに乗るべきかは一応知っていたのですが、戻ってきたお兄さんの仕入れた情報のおかげで、乗るべきバスの答え合わせができたのでとても助かりました。
お礼を言いながらバイクを降りた私は、
さて値段を言われるか?適当にいくらか渡すだけでいいのか?
とお兄さんをちらりと見ます。
すると、さっとバイクにまたがり、キュートな笑顔で手を振りながらあっという間に去って行ってしまいました。
そう、彼は本当にただただ善意で送ってくれて、その上乗るべきバスまで聞き込み調査をしてくれた、
ただただ親切なだけの人
だったのです。
チップくれって言う気だな〜って疑った自分が恥ずかしすぎて呆然。
いやむしろチップを渡したかった!!!
身の安全の為には疑う事も大事だけれど、疑うだけじゃこんな経験も逃してしまうかもしれないんだなぁ。
そんな風に考えさせられた出来事でした。
本当に純粋な親切なのか?何か裏があるのか?
見分けるのは難しいけれど、少しくらいリスクがあったって、経験してみればなんて事ないどころかとってもハッピーになれる事もあるんですね。
とはいえやはりギャンブルではあるのだけれども。
そしてそれもやっぱり全部自己責任!難しい!
その後、、

その後、何とも温かい気持ちで無事乗り込んだバスに揺られていた私。
すると向かいに座っていたおじいさんがしきりに話しかけてきて、私が持っていたカメラを指差してポーズを取ったりしてきます。
いつもなら変な人だなって苦笑いで終わっていたかもしれませんが、
今日の私は一味違う。
さっき反省したばかりではないか!
せっかくポーズまで取ってくれてるんだから、素敵な思い出を共有したい!
そう思い、一緒に笑いながらカメラを構えシャッターを切ろうとしたその時。
おじいさんの横に座っていたおばあさん(多分奥さん)に、
ものすごい剣幕でブチギレられたのでした。。。
私はこの時いったいどうするのが正解だったのか。
本当に、旅先の出会いを見極めるのは難しい。


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